固形物が食べたい

親不知を抜いて1週間ほどが経った。

下の奥歯に横向きで生えていたため抜くだけではなく、歯肉を切っての処置だった。そのため口内の腫れた箇所が奥歯に干渉して、痛くてうまく噛めない。
食事はもっぱらヨーグルトやプリン、おかゆなどの流動物を摂取して生きながらえている。

もともとプロテインやサプリで生活しており、食へのこだわりは皆無なので対して支障はないのだが、やはりたまには先日の盆地の食事のように喉をグビグビ鳴らすような食事がしたい。流動食生活は1週間が限界だ。

でも、歯が痛いし…。

またしても、ゴハンのような固形物が食べたい。

ゴハンは固形物か?

1週間近く米を食べていないのだが、もう限界だ。
日本人たるもの米を食べずして生きることはできない。

しかし、米を食べるためには「咀嚼」が必要だ。噛まずにゴハンを飲み込む芸当は私にはできない。
おかゆももう飽きてきたし…

米を食べたい
しかし、歯が痛い。

葛藤と絶望の末、ある名言を思い出した。

「カレーは飲み物である」 ウガンダ・トラ

かの有名なタレントだったウガンダ・トラが残した有名すぎる名言だ。

カレーを飲み物だと思ったことや考えたことは今まで一度もなかったが、親知らずを抜いた今、ゴハンを切望している私にはこれほど心に刺さる言葉はなかった。

カレーは飲み物である!

噛まなくてもカレーなら飲んで食べられるんちゃうか?
自然と私の足はカレー屋に向かっていた。

ココイチでカレーを飲む

ということで、家から一番近い「カレーハウス CoCo壱番屋 甲府昭和インター店」さんにやってきた。

実は甲府には「カレーが飲み物」という前衛的な店名のお店が実際にあるのだが、お店の場所がどこかわからなかったのでココイチに来たということである。
どうでもいいが、私は新聞屋とは思えないほど方向音痴なのである。知らない土地に出ると100%迷い、感覚で進み、さらに迷う。

さて、話を戻そう。
1週間ぶりのまともな食事に意気揚々する私。店員さんはこのワクワクした気持ちを受け止めてくれるだろうか?私のような客を見て、親不知抜いて米を食べるの我慢できなくなり、いてもたってもいられなくなったなんて思うだろうか?いや、思わない。

マスクで分からないだろうが、頬はもまだパンパンに腫れている。
ロキソニンで痛みは緩和されているがカレーはまだ早かったのか…と少し不安と後悔がにじみ出る…

いや、カレーは飲み物やろ!
自分を鼓舞する36歳。

カレーは超極端派

みなさんはカレーは甘口派だろうか、辛口派だろうか?

どちらも美味しいものだ。
甘口でガツガツ食べるもよし、辛口にして汗を拭いながら食べるもよし。そんな選択肢があるのもカレーの良いところだ。

ちなみに私は「超極端派」だ。

つまり超激辛か超甘口にして食べるのが流儀である。意識高い系の私は振り切ることが大事だとわかっている。常に120%だ。

今回は口の中がキレキレなので、超甘口(甘口カレー+5甘)にしていただこう。

さすがに激辛にして悶絶するのは怖い。もうちょっと生きていたい。あと、振り返ってみてみると、1週間のヨーグルト生活で糖質欲しかったんだろうなと思う。

そして、咀嚼が必要なとんかつのトッピングのあるカレーを頼んでしまった。
私は常に不可解。

甘口+5甘カレーの世界

ほどなくカレーが運ばれてきた。

これが「手仕込とんかつカレープラスチーズ」である。

おいしそうな香りに揚げたてのとんかつ、そしてその2つの食材の橋渡しをするように彩るチーズ。そのすべてを台無しにするかもしれない圧倒的な5甘の狂気。これはいろんな意味で震えるよ。

まぁ、ちなみに私はココイチに来ると5甘か5辛で悶絶して食べるのが通例なので、これぐらいは慣れている。
問題なのは私は今、親不知を抜いて口内が腫れているのにこんなものを食べて大丈夫なのかどうかである。ま、カレーととんかつは飲み物だから大丈夫っしょ。(自己暗示)

ということで、まずは一口。いただきます!

うまい!

うまい!

うまいぞぉ~!

1週間ぶりのお米とうまみたっぷりのカレー…「美味しんぼ」の富井副部長張りの声高い声で美味の実況をしてしまいそうだった。
変な人だと思われたくないので黙っていたが、これは究極のメニューだぞ。山岡史郎や海原雄山も目を見開くレベル。

しかし、何かが足りない。

そう、甘さだ!
ココイチの5甘では、まだまだ甘さの限界値に達していない。この程度の甘さでは、私のようなニッチな客を満足させることはできない。極端に振り切れ!

で、追加のハチミツ

これを入れて食べれば、甘さの限界値に達する。いや、もはやハチミツでゴハンを食べているような感覚だ。もはやカレーはおまけになる。皿いっぱいの糖質カーニバルだ。カレーはインドのイメージがあるが、これはブラジルだ。セレソンだ!

てろてろてろてろ…

あらためて、いただきます!

うわぁ……、甘いなぁ。

当たり前だが、めちゃんこ甘い。甘口カレー+5甘+ハチミツ大量投下なので最強レベルに甘い。内臓ビックリでしょ。

しかし、うまいのだ。親知らずの痛みはどこかへ消えてしまった。だって甘すぎるんだもん!こんなの甘すぎて歯の痛みなんてどっか行っちゃうでしょ!なんなんだよ!なんでこんなに甘くしたんだよ!(怒)

もはや歯の痛みは意識から消え、この異形なカレーの処理に四苦八苦していた。
カレーを飲んでいたのか咀嚼していたのか記憶にはない。ただ、この甘すぎる異物を早く口内から除去せねばならないという生物的危機感にさらされたのは覚えている。

カレーは飲み物?いや、早く飲み込まないと具合悪くなりそうやねん。

約20分かけて完食。

とんかつもハチミツをかけると意外にイケた。ただ、やはり咀嚼には正直苦労はした。揚げ物は余計だったと反省だ。親知らず抜歯後に揚げ物は厳禁だ。(当たり前だ)

まぁ、総じて大満足だった。もう当分カレーもとんかつもハチミツも見たくもない軽いトラウマレベルまで満たされた。
懲りない私はまた半年後くらいには5甘+ハチミツで食べてそうだが…。

抜歯後にカレーはあり

やや超甘口カレーの奇天烈なレポートになってしまったが、親知らずを抜いて流動食生活が続いていた中でのカレーは十分に食べられるものだった。軽い咀嚼で食べられたので、家庭でカレーを作るのならお米を軟らかく煮て作れば尚よいだろう。野菜を細かくしてドロドロに煮込めば歯ごたえのある野菜の風味も楽しめるだろう。

抜歯後の食事にはカレーはあり。(ただし極端に甘くする必要はなし。)

「カレーは飲み物である。」
ウガンダ・トラのこの名言のおかげで、私は流動食生活から一時ではあるが豊かな食事を楽しめることができた。失ってわかるモノやコトの大切さ。

幸せとは「なるもの」でもなく「手に入れるもの」でもなく、「気づくこと」なのかもしれない。

カレーを楽しめる、そんな当たり前の幸せをかみしめながら家路につく。
まだまだ人生は発見だらけの冒険島だ。

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株式会社小野新聞店の代表。 ガジェットやメカが好き。 「見えないものを見えるように」をモットーに、発想と行動で毎日をもっと楽しくする!